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患者さんの傍にいてこその看護師

    ◎看護師と名乗れるのは患者さんの傍にいる時
    ◎子供好きだけでは小児科は務まらない
    ●移植病棟 — 他の病棟にはない感覚の中で、看護とは何かを問われる

移植病棟 — 他の病棟にはない感覚の中で、看護とは何かを問われる


リスクの高い内科移植病棟での看護
=移植病棟という特殊な病棟でも師長をされていますね?
移植は、骨髄移植や血液移植(臍帯血等)等の内科系移植と、外科系の臓器移植に分かれます。
私のいた移植病棟は内科系の移植患者さんの受け持ちでしたが、臓器移植後の落ち着いた状態になった患者さんも外科病棟と分担して看ていました。

外科的な臓器移植の患者さんは待ちに待っている状況で、手術の決定に関しては専門のコーディネーターが間に入って行います。自分が何番目かも分からない上に、手術は突然に発生する。しかも実際にその臓器が使えるかどうかは分からない、非常に特殊な環境の中におられます。
内科系移殖の対象となる血液のガンの場合には、抗ガン剤や放射線などで寛解に入られる方もいらっしゃいます。しかし、寛解に入れなかった場合にはやはり移植するしかありません。
血液移植の場合は、自分の血液を残さずにゼロにしますから感染しやすくなります。薬を沢山使うのでその副作用も多い。免疫機能が落ちるため食べ物も制限される。外には出られない。経済的負担も大きい・・・そんな生活が長く続きますから、すごいストレスです。

その中でも私のいた大学病院では、比較的リスクの高い人が、どうするか悩んだ末に受けるような激しい治療を行っていました。副作用は当然で、思いもよらないことも起こります。 毛が抜けるだけでなく、皮膚がボロボロになる。肝臓や腎臓が悪くなることもあるし、骨ももろくなる。
骨髄移植をする前の医師の説明もすごく厳しいものです。「生き延びる率なんて無いのでは」と思うぐらいに合併症を言われますから。 そんなリスクを背負ってまで命をながらえるために移植をするのか・・と思う程に。
実際に、35歳を過ぎるとハイリスク群に入り、移植をするのは10代から20代前半の若い患者さんが多かったですね。もちろん子供もいました。

=そうした状況の看護は他の科とは違いますか?
違いますね。とても重たいですし、しんどいです。目の前に死がありますから。
手術ならば「手術によって助かる道もある」となりますが、移植に臨む患者さんは、他に打つ手は無く切羽詰まっています。しかも患者さんは皆若いし子供もいる・・・。
移植病棟の患者さんでも、中には諦めて緩和ケアの方に移る人もいないわけではありません。自宅で何もしないという選択肢をしている人もいます。その中で、リスクの高い移植をする人は、本当に何も持たずに戦場に行くぐらいの激しさだと思います。
その激しさの中で、看護師も精神的にもすごく追い込まれていきます。自分の看護師生活の中で一番辛かったですね。
だから辞めたいとは思いませんでしたが、帰りの足取りは重かったです。
差し伸べられる手が無い中、向き合うことの大切さ
=重い移植病棟で、5年間務めてこられた拠り所は何でしょう?
難しい質問ですね。自分でもよく分かりませんが、師長として2つ目の部署ですし、看護師として少しは余裕も持てたし、自分なりの患者さんとの関わり方が分かっていたからでしょうか。
ただ部下からは「どうしたらいい」と相談されることはありましたよ。何かしてあげたいのだけれど、看護技術的に何かができるわけでもないと分かっている患者さんに対して、どんな手を差し伸べられるのか・・・本当に真面目に考えてくれているからこその相談です。
そのスタッフに合わせては何かしらの助言をしていたと思いますが、基本的に皆を褒めていました。「あなたはよく頑張っているから、それ以上のことはできないと思うよ」とか「聞いて欲しいだけなんだから、そうねってうなずくだけでいいんじゃないの」「看護師は母親でもお姉さんでも、ましてや妻でもないんだから」とね。
聞くことが例え苦しくとも重くとも、ちゃんと話を聞いてあげられることは看護の大原則。
どんなに注射がうまくても仕事が早くても、しっかりと向き合うことができなければ違うと思います。
患者さんとの距離感や、オン・オフを切り替える能力が求められる
=患者さんとのつきあい方や距離感で悩む看護師さんも多いと聞きますが?
そうですね、患者さんとの距離の取り方やつきあい方に関しては、個人の性格の部分が大きいので難しいところですね。私は患者さんとは割と距離を置いている方だと自分では思います。患者さんのことを思って手厚く看護することと仲良くすることは別だと思っていますから。
私も、長く入院されていた方が亡くなられたと聞いて葬儀に行ったりもしますよ。これは感情移入ではなくて、それなりの長い間おつき合いした方に対する相応の親しさでしょう。
中には感情的に巻き込まれて、必死になっている若い看護師もいましたね。まあ、休みに出て来るようなこともありましたが、そうした経験の全てが悪いとは思いませんよ。
患者さんとメールのやり取りもしていたようで「メールをしているのですが、どうでしょう?」と聞かれたこともあります。「メール程度であれば、個人の判断でできるはず。だからメールをするなとは言わないけれど、私ならしない」と応えました。

一線をキッチリと引ける人もいますし、どうしても入ってしまう人もいます。こうあるべきではなく、自分なりの納得があって、それをプライベートに引きずらないこと。オンとオフを切り替えることが重要ですね。
それが出来る人が看護師として続けていけると言えるかもしれません。
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